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有期契約労働者の無期転換

経営者の皆様はご存じのことと思いますが

平成24年に労働契約法が改正され
(労働契約法18条)

平成25年4月1日以後に開始する労働契約について
同じ使用者との間での有期労働契約の期間が
通算で5年を超えて反復更新された場合

労働者の申込みにより
無期労働契約に転換することになりました。

申込みによって承諾したものと看做されますので
使用者は拒否することができません。


これが適用される有期労働契約者は
パート,アルバイト,契約社員,嘱託社員
等の名称如何にかかわりません。

皆に適用されます。



したがって

早ければ
平成30年4月1日をもって
無期転換権が発生することになります。



これを避けようとすると
通算期間が5年を超えるまでに
雇止め(解雇)することになりますが

その雇止め(解雇)が
客観的に合理的な理由を欠き
社会通念上相当と認められない場合は

雇止め(解雇)は無効となります。




したがって
多数の有期労働契約者を抱えている会社等では
大量の無期転換権の行使がなされる可能性があります。

そのため
無期転換権の行使がなされる時期までに

無期転換を認めてよい労働者と
雇止めにさざるを得ない労働者を
慎重に判断し

人事計画を策定しておく必要があります。




先日あるご依頼者から
この問題に関する御質問をいただきました。

そのご依頼者は
まだ動いておられませんでしたので

喫緊の課題として動いていただくよう
アドヴァイスを差し上げました。




もしまだこの問題について
手当をしておられない経営者の皆様がおられましたら

是非御相談下さい。




ご参考に
厚生労働省作成のパンフレットを貼り付けておきます。













by t-nishimura-kflo | 2017-02-24 14:17 | 労務管理関係

法律上の争訟②


続きです。

そもそも
「法律上の争訟性」がある
とはどういうことか。


これは
①当事者間の具体的権利義務・法律関係の存否に関する紛争であり
②法令の適用によって終局的に解決できるものであること

とされています。


「法律上の争訟」に当たらない場合は
請求の中身の判断はされずに
訴えは却下されます。

いわば門前払いです。



私が担当した事件で問題としたのは
上記の②の点です。




Aが本山の正当な管長(法主)であるためには

当該宗派では

「宗祖以来の唯授一人の血脈を相承するものである」

ことが必要でした。


これがなされているかどうかを判断するためには

血脈相承の意義を明らかにしたうえで
Aが血脈相承を受けたかどうかを
判断しなければなりません。


そのためには
当該宗派の教義ないし信仰の内容
に立ち入って審理・判断することが必要です。


これは
法令を適用することによっては
終局的には解決できないことである


と当方は主張しました。




一審は当方の主張を認めましたが
控訴審で逆転敗訴したことは
前の記事で述べたとおりです。



一審と控訴審で判断が分かれた理由は何であったか。



控訴審は

当方依頼者のYが
J寺を占有する権限を有するかどうかを判断するためには

前提問題としても宗教上の教義や信仰の内容を
判断する必要はなく

J寺の代表役員(住職)が誰であっても
Xの請求が認められるかどうかの結論は異ならないから

法律上の争訟性を充たしている

と判断しました。



かかる判断の背後にあるのは


法的安定性の重視と利益考量


だったのではないかと思います。



当該宗派では
既にAを正当な管長(法主)とする秩序が形成されており
この安定性を重視した

というのが一つ。


そして
YはJ寺の代表役員(住職)に就任したことはなく
亡くなった代表役員(住職)Fから寺務を任されたのみという
J寺に対する利益関係しかなかったため

上記の安定した秩序に基づく本山側の請求を
はね除けるだけの利益関係がなかった



ということがあったのではないか
と思います。





この事件は

私が弁護士になりたての頃に担当し

宗教法人のなんたるかも
まったく分かっていない状況で

ほぼすべての裁判所に提出する書面を作成した

非常に思い出深い事件でした。



見通しは極めて厳しかったのですが
一審で勝訴し

最高裁に提出した
上告理由書と上告受理申立理由書

も会心の出来でした。

登録一年目で
最高裁の破棄判決が取れるのでは!

などと考えていたほどでした。



結果としてご依頼者が亡くなってしまい
事件は終了しましたが

私が宗教法人に関わるきっかけとなった
事件でした。




なお
当該宗派については
同じ根っこの問題に関する
多数の最高裁判決がありますので

以下にご紹介しておきます。



最二小判H1.9.8 判タ711号80頁
最三小判H5.9.7 判タ855号90頁
最三小判H5.7.20 判タ855号58頁
最二小判H5.9.10 判タ855号74頁
最三小判H11.9.28 判タ1014号174頁
最三小判H14.1.29 判タ1087号103頁
最二小判H14.2.22 判タ1087号97頁








by t-nishimura-kflo | 2017-02-22 13:34 | 宗教法人関係

法律上の争訟①

民事裁判においては

原告の請求が認められるかどうか

ということが争われます。


貸金返還請求であれば
お金を貸した事実があるのか
いくら貸したのか
いつ返すことになっていたのか

などに関する原告の主張内容が
正しいのかどうか

が判断されます。



しかし
その前に

訴えの要件というものを
充たしている必要があります。


訴えの要件には
様々なものがあるのですが

ここでは2回に分けて

「法律上の争訟性」(裁判所法3条)

という要件が問題となった

現実に
私が他の弁護士3名と共に担当した事件について
書いてみたいと思います。




事案は

あるお寺(J寺とします)の
代表役員(住職)であったF(故人)から
寺の寺務一切を任されていたY(私の依頼者)が

本山の管長(法主)Aが任命した
J寺の新代表役員(住職)Xより

Yは権限なくJ寺を占有(支配)しているから
J寺を明け渡せという請求を受けた


というものでした。


Fは昭和57年段階で
本山の管長(法主)Aから
住職罷免の処分を受けており

法人登記上は
Fの後に3名が本山から任命されて
代表役員として登記されていました。


つまりFは
住職罷免処分を受けた後も
別の代表役員(住職)が選任されている状況の下

J寺の住職としての活動を続けていた
ということです。


Yは僧籍を有しており
Fの後を受けて
J寺の実質的な住職としての活動を
行っていました。




通常であれば
Yは法人登記上代表役員ではなく
住職罷免処分を受けたFから任されていたのみですから

J寺を占有する権限はないとして
Xの請求が認められるのが筋です。



しかし私たちは

Xを代表役員(住職)に任命した
本山管長(法主)Aが
正当な管長(法主)ではない

Aが正当な管長(法主)であるかどうかは

本山の教義に立ち入って判断しなければならず

それは裁判所の役割を超えているから

本件は
「法律上の争訟」に当たらず
訴えが却下されるべきである

と争いました。





結論としてどうなったか。

一審はこちらの主張が認められて勝訴しました。
裁判官は思いきった判断をしてくれました。


しかし
控訴審でひっくり返されて逆転敗訴しました。
(破棄差戻しとなりました。)

控訴審の判決は
判例タイムズ1334号245頁に掲載されています。



当方は控訴審の判断に不服ありとして
最高裁に
上告及び上告受理申立をしましたが

結論が出る前にYが亡くなられたため
控訴審の判断が確定することになりました。





明日に続きます。







by t-nishimura-kflo | 2017-02-21 14:12 | 宗教法人関係

交渉で顔を合わせることの大切さ

弁護士の重要な仕事の一つに

相手方との交渉があります。


交渉の内容は様々ですが

私は基本的に
相手方と顔を合わせて話すことが重要だと
考えています。


顔を合わせることで
人間関係が形成され

同じ方向を向くことが可能となり
それが事案を解決する力になると
思うからです。




もちろん

交渉では如何ともしがたい
という事案はあり

その場合は
訴訟等の手続に移行せざるを得ないのですが。






しかし
どうやら
私のようには考えない弁護士もいるようで


隣接他府県に
交渉に訪れた際

その隣接他府県の弁護士は皆

会って交渉するということはしない
と言われました。




交渉の方法は

会うか
電話か
文書か

の3通りくらいしかありませんので


電話や文書で
交渉の目的を遂げられる
と考えているのでしょうか。




当該事案は

先方が文書を送ってくるのみの
交渉態度だったため

上記の
同じ方向を向く可能性がないと
当方が判断し

交渉を打ち切りました。




訴訟になる前に
交渉での解決を模索することは

ご依頼者の方にとって
メリットがあります。


訴訟にかかる余分な費用を
支出せずに済むことです。


争いが峻烈な場合は
裁判所による客観的解決に依らなければ

ご依頼者も納得しない
ということもありますが


交渉による解決の可能性がある事案であれば
できる限り交渉で解決しようとするのが

正当な弁護活動である
と考えます。




相手方と顔を合わせず

電話や文書のみで済まそうとすることは
不適切な弁護活動ではないかと思います。





by t-nishimura-kflo | 2017-02-17 16:24 | 弁護士業務雑感

人間万事塞翁が馬

「人間万事塞翁が馬」


という諺があります。


人生における幸不幸は予想しがたく
幸せが不幸に
不幸が幸せに
いつ転じるか分からないから
安易に喜んだり悲しんだりすべきではない


という意味です。



私はこの諺は真実を突いている
と思います。



言い換えると

「人生とんとん」

ということではないかと思います。



いいこともあれば
悪いこともある。

今の状況が最悪のように思えても
それがずっと続く訳ではない。

反対に
いいことばかりが続く訳でもない。



人生というのは

そのように考え


傲らず
悲観せず


生きていかなければならない

と思っています。






by t-nishimura-kflo | 2017-02-16 10:51 | 雑記

義理は大事だ

今日がヴァレンタイン・デーだから

言うわけではありませんが

義理は大事です。


依頼者との関係は
信頼関係により成り立っていますので
義理を欠くようなことは到底許されないですが

事件をご紹介いただいたり
事件についてご相談する
専門家・他士業の先生方との関係ではもちろん

事件の相手方とその弁護士
に対しても

義理を欠くようなことはしてはならない
と思っています。



すべて人間関係である以上
これは当たり前だと思います。



不義理をはたらけば
どこかで自分に跳ね返ってくるのだと思います。


また反対に
義理堅くいれば
よい人間関係が広がっていくのだと思います。









by t-nishimura-kflo | 2017-02-14 14:31 | 弁護士業務雑感

事案の筋

先日
大先輩の税理士先生の誕生パーティーに
ご招待いただきました。


その場には
税理士はもちろんのこと
映画監督や大学教授も来られ

様々なご経歴・ご職業の方と
いろいろなお話をさせていただき
大変勉強になりました。



その中で
ある税理士の先生が

「法廷は論理の場所,税務は物語」
という趣旨のことを仰いました。




税務については
専門家のご認識状況に譲るとして

法廷は果たして論理の場所なのでしょうか。



一面ではそうでしょう。

法的三段論法を用い
法に事実を当てはめ
結論を導く訳ですから

それはまさしく論理の世界です。




しかし

「事案の筋」

というものがあります。



裁判所も

その「事案の筋」に向かって

論理を構築する
という側面が多分にあります。




論理が結論を導くのではなく

結論が論理を導く

ということです。




それは
事案そのものが持っている力であって
如何に別の論理を構築しようと思っても
いかんともしがたいものがあります。


我々はそれを
「無理筋の主張」
と言います。



「事案の筋」に反する
ご依頼者のお考えに対しては

説得して
納得していっていただくことも
時には必要となることがあります。



ですので

如何に「事案の筋」を見誤らないか
ということが

我々弁護士の重要な能力の一つである

と思っています。





by t-nishimura-kflo | 2017-02-13 12:21 | 弁護士業務雑感

ペイトリオッツがスーパーボウル制覇!!

史上初のオーバータイム(延長戦)を制し
史上初の25点ビハインドを逆転し


ニューイングランド・ペイトリオッツが
これも史上初の5度目の
スーパーボウルチャンピオンになりました!!



QB(クォーターバック)の
トム・ブレイディは

7度目のスーパーボウル進出で

スーパーボウル史上

最多パス試投回数
最多タッチダウン数
最多パス獲得ヤード

の記録を打ち立て

これも史上初の
4度目のスーパーボウルMVP

となりました。



史上初ずくめでしたが

第3Q途中までは
ペイトリオッツが勝つとは全く思えない
試合展開でした。


勝負の綾は
予想が付かないものです。



私の分析では

対戦相手のアトランタ・ファルコンズは
大量リードを奪っていたため

守備が王道の守り方
(ロングゲインを許さない,ショートゲインは受け入れる)
をしたために

パスが通るようになり

それまでちぐはぐだった
ペイトリオッツ攻撃にリズムが生まれてしまった

のではなかったか
と思います。




ペイトリオッツは

試合は60分ある
最後まで絶対に諦めない

ということを徹底したとのことです。




勝負は最後まで分からない。

我々の仕事も
絶対に諦めてはいけない

ということを再認識しました。





b0342335_14201094.jpg
(ペイトリオッツの公式FBページからお借りしました)







by t-nishimura-kflo | 2017-02-09 12:42 | アメフト関係

いよいよスーパーボウル

1月は去ぬ


と言われるように

なかなかブログを更新する時間を取れないまま
あっという間に1月が終わり
2月になりました。


今月からは
もう一度スイッチを入れ直し
真面目にブログを更新したいと思います。




と言いながら

久しぶりの記事は

やはり
と言うべきか

アメフトです。



そう

来る2月6日は

NFLの一年の頂上決戦

スーパーボウルの日です。



しかも何と!

私が応援している
ニューイングランド・ペイトリオッツ
が出場するのです!!


一昨年にも
ペイトリオッツは
スーパーボウルを制覇しているのですが

今年も勝ってもらいたいものです。



今から楽しみで仕方ないのです。







by t-nishimura-kflo | 2017-02-02 22:01 | アメフト関係

京都の弁護士西村友彦が日々考えたことなどを書いています。


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