宗教団体が法人格を取得する意義

以前
宗教法人の規則について述べましたが(


そもそも
宗教団体が法人格を取得する意義
というのは
どこにあるのでしょうか。




宗教法人法は
以下のように定めています


「この法律は,宗教団体が,礼拝の施設その他の財産を所有し
これを維持運用し,その他のその目的達成のための業務及び
事業を運営することに資するため,宗教団体に法律上の能力を
与えることを目的とする。」
(1条1項)





このうち
「宗教団体に法律上の能力を与える」
というのは

法人とは法律上の能力を有しているのであって
いわば当たり前のことを言っているにすぎません。




重要なのは

「宗教団体が,礼拝の施設その他の財産を所有し
これを維持運用し,その他のその目的達成のための業務及び
事業を運営することに資するため」

という部分です。


これは

宗教団体が
礼拝の施設等を所有してその活動基盤を確保し
自由かつ自主的に宗教活動等を行えるようにするため

と読み替えることができます。




更に
宗教法人法は

「憲法で保障された信教の自由は,すべての国政において
尊重されなければならない。従って,この法律のいかなる
規定も,個人,集団又は団体が,その保障された自由に
基づいて,教義をひろめ,儀式行事を行い,その他宗教上
の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない。」
(1条2項)

と続けます。


ここでは
国家の宗教に対する干渉,介入の排除が
明確にされています。




つまり

宗教団体が法人格を取得する意義は

宗教法人法の理念からすれば


国家の干渉,介入を排除して
礼拝の施設等の活動基盤を確保し
自由かつ自主的な宗教活動を行えるようにすることである


といえます。





しかし
これが制度的に担保されているのは
宗教法人のみということになります。



したがって
法人格を取得していない場合には


国家の干渉,介入の排除が
制度的には担保されていない

礼拝の施設等の活動基盤を確保することが
制度的には担保されていない

自由かつ自主的な宗教活動を行うことが
制度的には担保されていない

ということになるのです。






よく言われる


法人格を取得しなければ

宗教団体の主催者の個人名義となっている
境内地等の不動産が
当該主催者の死亡により相続財産となり

相続人が処分してしまう場合など
当該宗教団体の活動を継続できなく虞があるから

それを防ぐために法人格を取得する



というのは

上記の意義のうち

礼拝の施設等の活動基盤を確保することを
制度的に担保する

という一面を示したものといえるでしょう。



また
同じくよく言われる

宗教法人の通常の宗教活動に対する法人税等の非課税
という点については

上記宗教法人法の理念からすれば
法人格を取得する意義そのものではなく
そこから派生するメリットといえるかもしれません。
(公益性に基づくと考えられます。)





このように

宗教団体が
自由かつ自主的な活動を
安定的に継続していくためには

法人格を取得する必要があります。



そのためには

以前に述べた規則の作成のほか

所轄官庁との間の継続的な折衝や
宗教法人法所定の手続の履践

が必要となります。


これらについては
経験ある弁護士のアドバイスに基づくことが
もっとも無駄なく進められると思います。

是非御相談下さい。

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by t-nishimura-kflo | 2016-09-07 15:42 | 宗教法人関係

京都の弁護士西村友彦が日々考えたことなどを書いています。


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